中国・昆明

昆明(こんめい)とは、中国南西部の高原地帯にある雲南省の省都です。 人口は約660万人。少数民族も多く住んでいます。標高約1900メートルに位置します。 年間を通じて穏やかな気候のため、陸上選手らが高地合宿を組むことで知られています。 巨大な石灰岩の峰が林立する奇観で有名な景勝地があります。 石林などの観光名所が周囲にあり、内外から大勢の観光客が訪れます。(劉凱鵬)

中国初の万博、準備進む 雲南省・昆明で

1999年1月

中国雲南省の昆明。標高約1900メートル、年平均気温15度。四季を通じ温暖なため、「春城」の異名を持つこの高原都市では今、つち音があちこちで鳴り響いている。空港ターミナルビルの拡張工事、幹線道路の整備、ホテルの改装……。1999年5月1日に開幕する中国政府主催の「昆明世界園芸博覧会」に訪れる観光客を迎えるためだ。

環境重視の路線、内外PRも狙い

「人と自然」をテーマにした中国で初の万博会場は、市街から4キロ余り郊外のなだらかな山あいに建設中だ。218ヘクタールの広大な敷地に花壇や竹林、茶畑などを配し、オランダのチューリップ園やフランスのバラ園など、31の国・国際組織が野外出展する。

「国際ゾーン」の中心部では日本庭園の工事が急ピッチ。1998年12月末には、杉材やかわらなどの建築資材が日本から搬入された。宮大工の桑田和夫さん(47)(岡山県灘崎町)は「オリンピックの日本代表で昆明に来たようなもの。良い物を作りたい」と、1999年2月中の完成を目指し、汗を流している。

東南アジアやチベットに接し、少数民族が集まる

東南アジアやチベットに接し、少数民族が集まる雲南省は、豊かな自然と多様な民俗が人気を呼ぶ世界的な観光地。1999年、建国50周年を迎える中国政府は、万博をテコに内外から観光客を集めて経済の活性化を図るとともに、「花と緑」「環境」重視のソフトイメージを国際的にPRする意向だ。

外国人観光客のうち最多は日本人

1998年の1年間、中国を訪れた外国人観光客のうち最多は日本人。郭方明・雲南省園芸博覧局長は「日本人は花が好きな国民なので、多くの人が来てくれるでしょう」と期待を込める。

1999年10月31日までの開催期間中の推定入場者数は800-1000万人。アジア経済危機の影響で、隣接の東南アジアや香港などの観光客誘致に期待ができない分、より熱い視線が日本に送られている。

中国・雲南の旅 昆明「花博」5月開幕

1999年3月

雲南の省都、昆明の市街地から東北へ7キロ。金殿名勝区の一角に「花博」(中国99昆明世界園芸博覧会=1999年5月1日-10月31日)の会場がある。広さ218ヘクタール。中国初の国際博覧会開催に向け、急ピッチで会場造りが進んでいる。

建造中の会場を公開していた時期(1999年2月16日-3月2日)もあったが、いまは外から見学するだけ。そんな中、日本のマスコミ数社に会場内の見学が許された。

温暖な気候で年平均15度

亜熱帯の高原都市、昆明は1年を通して温暖な気候で年平均15度。「春城」の異名を持つ。花博開催地に選ばれたのもそのためだ。

正門から会場中央の世紀広場へ抜ける花園大道は、すでに花時計、花船が飾り付けられている。ピンク、紫、黄色、白…色とりどりの花壇も開幕を待つばかりか。世紀広場前の巨大な温室や広場を挟んで反対側にある中国館はすでに完成している。

突貫工事

一方、その奥に位置する中国各省・自治体の屋外展示場は、トラックが行き交い、土の色が見える。あわてて見て回っていると測量用のたこ糸に足をひっかけそうになった。作業員らはいぶかしげな視線。突貫工事のただ中での訪問者に、やはり迷惑そうだ。

会場の主要スポットをケーブルカーが結び、5つのパビリオン、6つのテーマ園が設営される。屋外展示は中国、国際、企業の各ゾーンに分かれ、日本庭園やヨーロッパのガーデニングも楽しめるとか。中国国内外合わせて1000万人の入場を見込んでいるという。

5つ星ホテルが二軒誕生へ

昆明市内もあちこちで巨大な工事現場が出現している。まるで新都を誕生させるかのような建設ラッシュ。交通渋滞、騒音もひどい。じきに空港のターミナルが一新し、5つ星ホテルが二軒誕生するとか。政府が市街施設の整備に30億元(約450億円)を投入したとも伝わってくる。街は1999年5月に向けて騒がしくも活気に満ちている。


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