中国・雲南(うんなん)省昆明(こんめい)市の紹介です。
中国南西部の高原地帯に位置する昆明(こんめい/クンミン)は、雲南省の省都であり、政治・経済・文化の中心地です。
人口800万人を超えるこの大都市は、近代的なビル群とエキゾチックな情緒が共存する独特の景観を持ち、中国国内のみならず、東南アジア諸国への玄関口としても重要な役割を担っています。
気候と地理:アスリートも集う「常春の都」
昆明の最大の特徴は、その恵まれた気候にあります。北緯は沖縄とほぼ同じですが、標高約1,900メートルの高原に位置しているため、夏は酷暑にならず、冬も厳しい寒さに見舞われません。
年間を通じて平均気温が15度前後という穏やかな気候が続くことから、中国では「春城(しゅんじょう)」=「常春の都」という美しい別名で親しまれています。
高地トレーニングの聖地
この「準高地」という環境と安定した気候は、スポーツ医学の観点からも注目されています。心肺機能を高めるのに適した環境であるため、中国国内の代表チームはもちろん、日本の実業団を含む世界中の陸上選手や水泳選手が、高地トレーニング(合宿)のためにこの地を訪れています。
観光:世界遺産「石林」と高原の湖
観光地としての昆明は、雄大な自然景観が最大の魅力です。市内および近郊には、世界的にも貴重な絶景が点在しています。
天下第一の奇観「石林(せきりん)」
昆明観光のハイライトと言えるのが、市街地から南東へ約80キロメートルに位置する世界自然遺産「石林(せきりん)」です。
- カルスト地形の傑作: 2億7000万年前の海底が隆起し、雨風の浸食によって形成された石灰岩の柱が、まるで林のように見渡す限り林立しています。
- 剣のような岩峰: 高さ数メートルから高いものでは30メートルにも及ぶ鋭い岩肌は、迷路のような散策路を作り出し、訪れる人々を圧倒します。
高原の真珠「滇池(てんち)」
市街地の南西に広がる「滇池(てんち)」は、中国で6番目に大きな淡水湖です。「高原の真珠」とも称され、湖畔からは断崖絶壁がそびえ立つ「西山(せいざん)」を望むことができます。冬にはシベリアから数万羽のユリカモメが越冬のために飛来し、湖面を白く染める様子は昆明の冬の風物詩となっています。
文化と産業:アジアの花の都、多民族の彩り
雲南省は中国で最も多くの少数民族が暮らす地域であり、省都である昆明にも、イ族、ペー族、ハニ族など多様な民族が暮らしています。街のレストランでは、名物料理である米粉の麺「過橋米線(かきょうべいせん)」をはじめ、各民族の伝統料理や、きのこ料理などを楽しむことができます。
アジア最大の花市場
また、温暖な気候を活かした花卉(かき)栽培も盛んです。昆明にある「闘南(とうなん)花卉市場」はアジア最大級の規模を誇り、ここで取引された鮮やかな花々は、中国全土のみならず日本や世界各地へと輸出されています。
現代中国を読み解くキーワード
| キーワード | 解説 |
|---|---|
| 80後 | 1980年以降生まれの1人っ子世代。インターネット利用者の7割を占め、中国の消費とトレンドをリードしている |
| 走出去 | 中国企業の海外投資を奨励する政策。外資誘致を奨励した引進来(インジンライ)から政策を転換 |
| 海亀族 | 海外留学を経験して帰国する留学生のこと。帰国後、起業するものが多い |
| 藍色国土 | 「青い国土」の意で、中国が主権を有する海洋管轄区域と見なしている海を指す |
| 毒菜 | 農薬に汚染された野菜。同義語に毒米、毒肉などがある |
| 緑色食品 | 人間に安全な、無農薬あるいは低農薬の食品のこと |
| 空中鬼 | 中国における酸性雨の俗称。呼吸器系疾患などを引き起こすとして恐れられている |
| 和諧社会 | 胡錦濤政権が打ち出した「調和の取れた社会」という理念。格差問題などの矛盾解決を目指す |
| 三農問題 | 農村が抱える3つの問題。低生産性、農村の荒廃、農民の貧困 |
| 創新 | イノベーションのこと。加工貿易型ビジネスモデルからの脱皮を意味している |
| 北京奥運 | 今年最大のイベント、北京オリンピック |
| 新富 | 高収入の中産階級。特性として、高消費、高学歴、高感度が挙げられる |
| 月光族 | 月の給料はすべてその月のうちに使ってしまう人びと。“80後”に多い |
| 短信 | 携帯電話のショートメッセージ(SM)。通話するより安いので、SMでチャットする人が多い |
| 博客 | ブログ。中国ではブログなどのネットメディアの影響力が増している |
| 空巣家族 | 高齢者だけで生活する世帯。最近、特に農村部で増えている |